FC2ブログ
08月≪ 123456789101112131415161718192021222324252627282930≫10月

口腔ケア・オプション

2010年08月29日
学会の準備で更新が送れてすみません(^^;。

MASCC/ISOO guidelineでは標準的な口腔ケア(患者教育・保清・保湿)が最も重要であると書かれている事を紹介しました。
そして、洗口剤としてnon-medicatedなうがい液を使用する事とされていることも紹介しましたが、
ある方から
「真菌症(カンジダ)、ウイルス感染(ヘルペス)になった場合どうしたら良いのか?この時にも Medicatedなうがい薬は使わない方が良いのか?」
と質問を受けましたので口腔ケアの追加をします。


また、現在、僕と後輩は東北大学の歯科放射線科と共同研究で「頭頸部癌化学放射線治療中の患者さんの真菌検査」をしています。
これは、フコナゾールのがん治療に伴う有効性を検証するための準備研究なのですが、現在のところ、標準口腔ケアを行っている僕の施設の患者さんは培養すると真菌のコロニーは数名の患者さんで確認されていますが、重篤な口腔カンジダ症や口腔ヘルペス感染症はほとんど認められておりません。
もし、カンジダやヘルペスが口腔内にできた場合は全身状態がかなり悪いか標準口腔ケアができていないのかも知れませんので、まずはこれらの再評価と改善が必要だと思います。
しかし、がん治療において免疫抑制による口腔カンジダ症や口腔ヘルペス感染症のリスクは当然ありますので、口腔ケアのオプションとして、有効である可能性のある medicatedな洗口剤を知っているにこしたことはありません。。

Optionとして、クロルヘキシジン、抗真菌薬、抗ウイルス薬が挙げられます。
これらはMASCC/ISOO guidelineで勧めないされていますが、その理由は多施設の研究で有効性が乏しいからと言う理由であり、がん治療に伴う有害事象を増悪させるわけではないようです。
当然、オプションですから標準口腔ケアで粘膜炎の増強、真菌症、ウイルス感染が認められたまたは疑われた場合に、クロルヘキシジン、抗真菌剤、抗ウイルス剤をそれぞれ応用するのがよろしいかと思います。

クロルへキシジン(コンクールF)
グルコン酸クロルヘキシジンです。これは歯垢浸透能力が低いのでしっかりと口腔清掃を行ってから使用することが原則で、歯の着色を引き起こしやすいという欠点もあります。これは放射線治療後の歯肉炎に有効であったと報告があります。詳細は後で調べますが報告されたものと日本では濃度が異なります。日本で洗口剤として使われているものは 0.05%ですが報告のものは約4倍の濃度だったと思いますので、効果が期待できるかどうかは疑問ですね。またあまり高濃度だと過敏症(0.2%以上だと過敏症の発生率がより高くなるそうです)や歯の着色が気になります。

抗真菌剤(フロリード・ファンギゾン・フコナゾール)
フロリードとファンギゾンはポリエン系ですので同様のものだと考えても良いかも知れません。フコナゾールはアゾール系で、上記の2剤で効かないときに有効とも言われていますね。
実は、ファンギゾンは Epstain先生らが白血病や骨髄移植患者さんの粘膜炎緩和に有効でないと報告していますが、フコナゾールは Nicolatou先生らが頭頸部放射線治療による粘膜炎緩和に有効であった(プラセボと比べカンジダのキャリアとgrade3-4の粘膜炎が1/4であった)と報告してますので有効かも知れませんね。しかし、前者は1992年、後者は2006年の報告ですから、口腔ケアの状態も含め精査が必要ですね(後で読んで追加します)。

抗ウイルス剤(アクロシビル)
ゾビラックスですね。ヘルペス持ちの僕は学会前は対への世話になっております(^^;
僕はあまり詳しくないのですが、邦文、英文含め抗ウイルス剤であるアクロシビルの白血病の治療や骨髄移植に伴う粘膜炎緩和の有効性が多く述べられているようです。

いずれにせよ、口腔内の真菌性の粘膜炎やウイルス性の口内炎に関しては標準口腔ケアが最も重要で、あくまでもオプションであることは間違いない様です。

次回から少しずつ口腔ケア以外の粘膜炎に続発する合併症の管理について書こうと思います。

話は180度変わりますが、
これから20年来の友人であるロングボーダー兼プロスキーヤーの H氏の結婚式です。
楽しみだなぁ、飲めるのが、あはは(^^;
関連記事
スポンサーサイト



口腔ケア | コメント(0) | トラックバック(0)
コメント

管理者のみに表示