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フッ化物+MIペースト応用の放射線性う蝕の予防効果

2016年05月03日
Springer社から
放射線性う蝕に対するフッ化物+MIペースト応用の効果
の論文が正式に掲載されたと報告が来ました!

放射線性う蝕の予防は放射線性顎骨壊死の予防にもなりますし、
う蝕治療のための医療費の削減効果も期待されます。

タイトルは
Effects of casein phosphopeptide–amorphous calcium phosphate with sodium fluoride on root surface conditions in head and neck radiotherapy patients

Oral Radiology 32(2)の105-110ページ(DOI :10.1007/s11282-015-0218-4)に掲載されました。

5/30まで無料でPDFファイルが手に入りますので、
興味のある方はメールもしくはメッセージしていただけると嬉しいです。

放射線性う蝕予防のためのフッ化物応用は基本ですが、フッ化物応用のみでは予防困難なのが放射線性う蝕です。
これは様々な理由があるのですが、
主な理由は、放射線によるエナメル質や象牙質の変性ではなく、
放射線による唾液分泌低下からくる唾液生理作用の低下です。
本研究は、フッ化物に歯質に取り込みやすい状態にしたカルシウムとリンを加えることで
「唾液生理作用の再石灰化作用」と「歯質の耐酸化(虫歯になりにくい歯にすること)」の強化を試みた研究です。

放射線性口腔乾燥症患者をフッ化物応用のみの患者とフッ化物にMIペーストを応用した患者に分け、
1年間前向きに歯の状態を調査しました。
*後者は前者より、う蝕予防に関して前向きであるというバイアスがある可能性がありますが、ご了承ください・汗。

バイアスを考慮しても、結果は驚くものでした
下の表の様に
根面う蝕の発生率が71%(7%)→17%(1%)に低下したのは当然なのですが、
MI-1_20160503124427f65.jpg

下の表の様に
根面のLeathery lesion(初期う蝕)がHard lesion(健全歯質)に回復した症例が認められたのです!!
MI2_20160503125247a43.jpg

私は、
この結果は、頭頸部放射線治後のう蝕がフッ化物応用のみでは予防困難であることの、
本当の理由を示しているのだと考えています。

表の数字のみでは分かりづらいので、
実際の症例写真を供覧します。
MI3_201605031224461c0.jpg

いかがでしょうか?

多分、
放射線性口腔乾燥症患者だけでなく、
フッ化物応用のみではう蝕予防に苦慮している、
全ての口腔乾燥症患者(例えば、シェーグレン症候群)に応用可能だと思います。

この論文が rapid articleに掲載された後に、
様々なジャーナルでカルシウム・リン補充療法(フッ化物+MIペースト応用)が放射線性う蝕予防のためのフッ化物応用の次の一手として紹介され始めたことは、本当にうれしく思います。

う蝕予防に興味のある口腔乾燥症患者さん、
口腔乾燥症患者のう蝕予防に苦慮している歯医者さん、
興味がありましたら、ぜひ!!


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