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耳下腺温存放射線治療

2014年10月05日
いわゆる強度変調放射線治療(IMRT)のことですね。
IMRTは、不規則な形状の腫瘍へ最適な線量と形状の放射線を投入するための方法で、
放射線治療装置のマルチリーフコリメータの性能と精度が上がった事とコンピューター技術の向上により可能となった方法ですね。
もう少し詳しく言うと、
多方向から強度や形の異なる放射線を照射することで最適な腫瘍線量を確保し正常組織の線量を極力下げる比較的新しい放射線治療技術で、
腫瘍線量を決めてから照射する放射線の強さや照射する放射線の形を決めるのでinverse techniqueとも言われていると思います。
名称未設定 1のコピー

照射野を極限まで狭めるので再発率が上がるのではないかと心配されていましたが、局所制御率、無病生存率ともに従来の放射線治療と変わらないことが幾つかの研究で証明されています。
また、急性放射線粘膜炎の発生頻度や重篤度は変わらないのですが、晩期の放射線口腔乾燥症は有為に少なくなるようです。
IMRTにより RTOG grade2の口腔乾燥が12-91%から 2-69%に減少し、患者QOLの睡眠障害と会話困難を有為に改善するので、

MASCCの2010年の systematic review & guidelineでは
IMRTは唾液腺の線量を少なくすることで、口腔乾燥症状を減少させ、
全唾液分泌量を適切に維持できることを支持する多くの信頼できる研究があるので、
IMRTを放射線口腔乾燥症の予防として利用することを強く推奨
(Level II evidence, grade A recommendation)

としています。

ただし、患者QOLは耳下腺唾液量よりも全唾液量と強い相関があり、
治療後3か月の時点の唾液腺機能評価(唾液腺シンチでの)で耳下腺線量26Gy以下の症例がそれ以上の症例より有為に回復したことから、
IMRTを計画する上で、
1)小唾液腺の線量を低く(特に、口蓋腺と口唇腺)
2)耳下腺線量は26Gy以下に

することを心がけることを強調していたのが印象的でした。

放射線治療医、放射線物理士の先生方にはIMRTを選択する理由として唾液分泌温存があるのであれば、
上記の2点を気にかけて治療計画を立てて頂けるとよいかもしれません(^^)
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