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味覚障害

2011年10月30日
がん治療において味覚障害(味覚異常・味覚低下)はあまり注目されていませんでしたが、
最近、化学療法中の患者さんの味覚障害が腫瘍内科医の間で話題となっていますね。

これは患者さんにとって非常によいことだと感じています。
なぜならば、味覚障害は精神的な苦痛のみならず肉体的な苦痛をも引き起こし、
患者QOL、治療の質(今度からQOTと呼ぼうかな(^^;)を落とすだけでなく、化学療法においては治療効果も落としてしまうことが懸念され、
これらが注目されることはがん治療の質が大きく改善される可能性があるからです。

味覚異常と臨床症状の関係図)

味覚障害

しかし、色々調べてみましたが、予防法、対処法、治療法については全くと言っていいほど分かってないようです。

僕の経験では、化学療法患者さんからは鉄をなめているような味がするとか、放射線治療患者さんからは砂を食べているようだとか、よく聞きますし、僕が今行っている味覚と唾液の前向き調査では甘みが苦く感じる方が多いようです。
皆さんの関わっている患者さんはどうですか?

味覚障害は化学療法、放射線治療、GVHD患者さんの他に免疫療法(IL-2やIFN)でも起きる可能性があるようです。
考えられている原因は、抗腫瘍薬による影響(味蕾細胞、感覚神経)、唾液分泌低下、感染、精神的なものと言われていますが、はたしてどうなのでしょうか。
いくつかの論文(Haematologica、Supportive Cancer Therapy、J ClinNurs、Support Care Cancer等)を読むと

化学療法と放射線治療において、それぞれ、
発生率は、50-60%と60-70%、
発生時期は、3-7日と7-14日、
回復時期は、15-28日、90-180日

であると書かれていました。

治療法は、亜鉛、スクラルファート等が一部で効果的であったと報告されてており、
栄養士のカウンセリングによる食事の変更も重要なようです。
亜鉛製剤は味が悪いですし、がんセンターの過去のレポートでは化学療法患者さんは柑橘系の香りを好むようになると報告されていたと記憶しますので、
香りや栄養素をふくめた食事の工夫が大切だと感じまています。
残念なことに、僕は病院で親しい栄養士さんがいませんし、NSTとのコネクションもありませんのでこれも課題ですね(TT)

日本歯科医師会での歯科医療の定義?は人生を支える医療です。
おいしい食事は人生を豊かにします。当然、口が痛いとおいしく食べられません。
がん患者さんに対する味覚障害対策、
当然、適切な粘膜炎対策なくして成立しません。


味覚障害対策は栄養士さん、薬剤師さん、看護師さん、がん医療医、臨床心理士、がん歯科医師らが一丸となって取り組んで行かなければならない大切な仕事。
これらの職種の1つ欠けても味覚障害対策は成り立たないんだと思う。


がんチーム医療は輪でつながっていないとダメなんだとつくづく思う。
僕の所属するがんチームはまだ途切れ途切れの線でしかない。
どうしたら輪になるのだろうか。。
多分、多くのがん医療施設の課題なのだろうな。。
焦らず、ゆる~く探していこうと思う、
気がついたら輪になっていたというのが良いんだけどなぁ、
都合良すぎるか、あはは(^^;


あっ、まだまだ、書きたいことがいっぱいあるので、後日、TEXT BOOKにアップしますね!!
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コメント
S歯科衛生士さんへ(^^)
ニーズに合わせた引き出しを多く持つ、これは医療者として最低限のマナーだと思います。

何だか成長していますね!!
すごく嬉しいです。

医学を上手く医療に融合できたら最高ですね。

病院で会えるのを楽しみにしています(^^)/
目から鱗
何度か読み返していて引っかかっていたんですが、やっと思い出しました。

先日、口腔外科学会の歯科衛生士研究会に赴きましたら、たまたま隣に座った方が都立K病院の歯科衛生士さんで、色々と教えていただいたんです。その話の中で、彼女が言うには
「頭頚部癌の患者さんには口腔乾燥の訴えがあると思うけど、味覚が変化する人も多いから、保湿剤は色々な種類を取りそろえて、味見をしてもらった方が良い」
とのことでした。

ウチの病院では2種類しか置いてない上に、衛生士が味見をして美味しいと思ったモノをそのまま勧めてたんですが、これには目から鱗でした。
実際に使う人に決めてもらうのでなければ、味が良いかなんて、解りませんものね!

食事も当然そうですが、保湿剤も、足りないものを補うためだけではなく、より質の高い医療としてのオススメが出来なくてはならないのだと改めて感じた次第です。保湿剤一つとっても、医療者側の自己満足であってはならないのですね!

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