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がん支持療法としての口腔ケア

2012年04月27日
がん支持療法としての口腔ケアとは

がん患者のQOLを低下させる事象として代表的なものは粘膜障害、局所感染症、全身感染症、倦怠感である1)。

口腔はその形態的、生物学的特徴(がん治療における口腔の特徴の項参照)から、抗がん剤や放射線の直接的な影響を受けやすく、感染経路にもなりやすい。すなわち、がん患者のQOLの低下は口腔と強く関係し、がん治療と関連する口腔合併症を予防、緩和することは、がん患者のQOLの改善に大きく貢献する。また、がん治療中のQOLの低下は頻繁に抗がん剤や放射線の減量、治療期間の延長を引き起こす。特に、放射線治療や化学療法の治療期間の延長は治療効果を低下させる2-5)。これががん治療に口腔ケアが必須である最大の理由である。

がん支持療法としての口腔ケアは口腔(粘膜、歯、歯周組織)を健康的に維持し機能させることにより、がん治療による口腔関連合併症の予防、緩和を行う手段もしくは合併症の増悪因子を除去することにより合併症の治療をより効率的、効果的にするため手段である。
治療中の口腔ケアの基本的は患者教育、口腔清掃、洗口、抗菌剤や鎮痛剤の局所応用であり、患者教育が成功のカギであり最も重要である。また、治療後の口腔ケアは晩期合併症によるQOLの維持・改善のために行われる。具体的には、歯科疾患(歯の疾患、歯周疾患、粘膜疾患、唾液腺障害、顎骨障害、成長障害等)の発生率や重篤度の低下と日常生活での苦痛の緩和である。すなわち、歯科管理と口腔保健指導行うので、口腔ケアというよりは dental managementと呼ぶ方がふさわしい。

当然、口腔ケアにおいても、その中心は患者であり、患者が苦痛と感じたり基本を守らない口腔ケアは支持療法とは言えず、基本を守りつつ個々の患者のニーズや症状に合わせてバランスよく行うことを心がけなければならない。
前出の支持療法同様に、口腔ケアも患者に提供される口腔ケアは患者のステージやニーズによりその内容や目的は変化する。

Key words
・粘膜障害
・感染経路
・がん治療に口腔ケアは必須
・治療期間の延長は治療効果を下げる
・患者教育が成功のカギ
・Dental management

補足
有害事象:患者に生じたあらゆる好ましくない医療上のできごと。 必ずしも治療との因果関係は不要
合併症:手術や検査などの後,それらがもとになって起こることがある病気
副作用:医薬品の使用に伴って発現した好ましくないできごとのうち当該医薬品との因果関係が否定できないもの

参考文献
1)Bellm LA, Epstein JB, Rose-Ped A, Martin P, Fuchs HJ. Patient reports of complications of bone marrow transplantation. Support Care Cancer 8: 33-39, 2000
2) Parsons JT, Mendenhall WM, Stringer SP, Cassisi NJ, Million RR. An analysis of factors influencing the outcome of postoperative irradiation for squamous cell carcinoma of the oral cavity. Int J Radiat Oncol Biol Phys 39:137-148, 1997.
3) Ang KK, Trotti A, Brown BW, Garden AS, Foote RL, Morrison WH, Geara FB, Klotch DW, Goepfert H, Peters LJ. Randomized trial addressing risk features and time factors of surgery plus radiotherapy in advanced head-and-neck cancer. Int J Radiat Oncol Biol Phys 51:571-578, 2001.
4) Allal AS, de Pree C, Dulguerov P, Bieri S, Maire D, Kurtz JM. Avoidance of treatment interruption: an unrecognized benefit of accelerated radiotherapy in oropharyngeal carcinomas? Int J Radiat Oncol Biol Phys. 45:41-45. 1999.
5) Cheung NV, Heller G. Chemotherapy dose intensity correlates strongly with response, median survival, and median progression-free survival in metastatic neuroblastoma. J Clin Oncol. 9:1050-1058, 1991.
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