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全身感染症から見た歯科管理の進め方

2011年01月23日
今日は全身感染症(菌血症・敗血症)からみた歯科管理(歯科支持療法)の進め方と歯科治療の優先順位についてです。

以前、歯科支持療法外来の開設を病院にお願いしているとお話ししたと思いますが、先日やっと了承され、
歯科支持療法と口腔ケアを専門的に行う歯科外来を開設することになりました(^^)V
名称は「口腔支持療法外来」僕的にはしっくり来ない名前。。一体、何するんでしょうって感じ(^^;

今は、歯科支持療法プロトコール作りをしているのですが、周りの人達との意識のズレを感じています。
簡単に言いますと、我々の対象とする疾患(がん・糖尿病・循環器疾患・血液疾患)なのですが、
外来運営に関わる先生達は、
治療前にやることは抜歯と根管治療だそうです。
根管治療に関しては細菌培養検査で陰性になるまで行うつもりだそうです。
そして、口腔衛生指導はずーっと優先順位が低いようです。
僕は、この感覚には驚かされました。

僕は
治療前の歯科支持療法の手順
1:口腔衛生指導(患者教育)
2:保存不可能なはで今後有害事象のトリガーになる可能性のある歯の抜歯
3:歯科的な口腔内の清掃(ス ケーリング、歯面研磨)

4:…………etcと続き、
根管治療(根管治療で保存できる歯・暫間的治療も含む)については結構優先順位としては後の方かなと考えています。
そして、もう一つ重要なポイントは医科で予定されている治療を極力遅らせないこと(迅速な対応)だと考えています。

なんて、グチってしましました。。聞き流して下さいな、あはは(^^;


そこで、その人達を説得するために様々な施設のプロトコールを拝見したり、論文を読み返したりしたところ、幾つかのエビデンスが見えてきましたので、紹介します。

以前、お話ししましたが、がんにおける標準口腔ケアの目的
1:粘膜炎緩和。機序は粘膜炎を増強させると考えられている細菌コロニーの減少です。実際、多くの研究で標準口腔ケアの粘膜炎緩和効果は実証されています。
2:菌血症のリスク減少。特に、幹細胞移植をされた患者さんは粘膜炎の出現した患者さんは粘膜炎の出現しなかった患者さんと比べ菌血症の発生が3倍以上だったと言う報告もありました。これは菌血症が口腔の日和見感染によることを強く示唆しています。特に、化学療法や移植患者さんのような免疫抑制された患者さんにおいて事実であり、当然、糖尿病患者さんや骨粗鬆症患者さんでも起きうることです。しかし、放射線治療単独では口腔の日和見感染が菌血症・敗血症の原因になることはないようです。

当然、虫歯の原因になる細菌や歯周炎の原因になる細菌が菌血症や敗血症の原因になることも予測されますが、僕がPudMedで検索した範囲の大部分の報告では血液培養の結果、よく検出されるのが、ブドウ球菌(黄色・表皮)・グラム陽性緑色連鎖球菌(oraris・mitis)・腸内球菌・ネイセリア・大腸菌のようです。これらの菌血症や敗血症の原因菌のうち口腔と関係があるものはデンタルプラーク(歯垢)や口腔粘膜に普通に生息している口腔内常在菌です。少数ですがStreptococcus sanguis等の虫歯や根尖病巣の中でも検出される菌も報告されていますが、無症候性の根尖病巣は感染症や口腔内炎症を増加させない(OOOOE. 1993)との報告があり、これに反論する論文は探せませんでした。一方、歯周病や口腔粘膜炎との関連を示唆する報告は多数見られ

やはり僕は、
治療前に行なわなければならない歯科支持療法は、
医科で予定されている治療を遅らせないことに配慮し
1:口腔衛生指導(患者教育)
2:保存不可能なはで今後有害事象のトリガーになる可能性のある歯の抜歯
3:歯科的な口腔内の清掃(スケーリング、歯面研磨)
4:虫歯の暫間的な修復や根管の暫間的治療

の順に進めていくのが betterかなと考えています。
*亜急性細菌性心内膜炎、細菌性肺炎、脳血管障害、糖尿病悪化に関してはう蝕誘発細菌の一つである、ミュータンス連鎖球菌や歯周病原性細菌との関連はありました。
また、in-vitro研究におけるデータは必ずしも in-vivoと直結するわけでなく、僕は臨床データまたは臨床経験が重要と考えています。これには賛否両論あるでしょうが、あはは(^^;

次回は、現在市販されている保湿剤の僕なりの評価を書こうかなと思っています。
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