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がん化学・放射線治療の休止・中断の理由

2010年01月17日
頭頸部癌のがん化学療法・放射線治療の
休止・中断の主な理由は本当に粘膜炎や誤嚥性肺炎等の発熱なのでしょうか?
口腔ケアはがん治療に伴う粘膜炎や発熱に本当に効果的なのでしょうか?
と、質問を頂きました。

5年前、日本放射線腫瘍学会で
「頭頸部放射線治療における休止。中断の理由と口腔ケアの有効性」
について発表したことがありましたので、紹介したいと思います。

=この研究報告を行ったきっかけ=
当時、国内外問わず、有害事象について述べられた論文のほとんどは
「○○という治療を行ったところ5年生存率が○○に上昇し、有害事象として Grade○以上の粘膜炎が○%発症し、○%の治療の中断があった」
と言うような内容で治療効果が中心で有害事象(副作用)についてはおまけ程度でした。
経験上、口腔ケアは粘膜炎や熱発の緩和に有効であると確信していましたが、
実際に
頭頸部放射線治療でどれくらいの方が治療を途中で休んだり断念したするのか
口腔ケアがそれらの緩和にどれだけ貢献しているか
知りたかったからです。



=結果=
中止・中断の理由
口腔から上部食道まで放射線が投入された患者さん51人をカルテ上で調査したところ、
1/5(20%)の方が治療を休止もしくは中断し、
その理由の大部分は疼痛と発熱でした。
この研究で驚いたのはこれから増強するであろう痛みに対する不安から治療を断念した方が2人もいたことです。
休止・中断の理由2
そして、これらの症例を口腔ケア介入症例と非介入症例で分けたところ、
休止・中断症例は総て口腔ケア非介入症例でした。


=最後に=
やはり、がん治療中の頭頸部がん治療患者さんを苦しめているのは粘膜炎と発熱でした。
僕は発熱の理由は
粘膜(微細な潰瘍)からの感染、
歯周組織(血流が豊富で弱い組織)からの感染、
誤嚥による発熱

が大部分だと考えています。
その理由は口腔ケアで予防できることと、疼痛を薬(医療麻薬やNSAID)や粘膜保護材(アルロイドG)で緩和しても経口摂取量は増えるのですが肺炎の予防は出来ない
からです。クリック→参考文献:玉村 裕保、他.日本放射線腫瘍学会誌 17: 169-175. 2005


そして、痛みというのは物理的なものだけでなくスピリチュアルな部分も大切なんだなぁと思い知らされました。

口腔ケアは、
がん治療の効果を最大限引き出し
患者さんの苦痛を緩和する
だけではなく、
精神的な支えになっているのかもしれません。

がん口腔ケア
やり甲斐のある、本当に重要な仕事です!!


次回は、粘膜炎の口腔ケアの効果についてご紹介しようと思います。








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